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組織化とハット

組織化の図は実際のところ、組織や会社で働く人々によって生み出される生産物の流れを、ひとつひとつ示しているチャートです。

組織にいる人には、それぞれ仕事や地位、あるいは「ポスト」があります。

それぞれのポストは「ハット」と呼ばれることもあります。

ハット」という言葉は、組織における特定の職務の肩書き、および職務内容を意味する俗語です。 これは、鉄道員といったような多くの専門職において、かぶっている帽子の種類がその職務を象徴することから来ています。

例えば、列車では、列車を走らせる機関士はある特定の帽子をかぶります。

また警察官は警察官の帽子をかぶります。

建設現場の労働者は、保護のためにある種の帽子やヘルメットをかぶります。

どのような組織も数多くの人々から構成され、そのそれぞれが行うべき「ハット」、つまり行うべき仕事を持っています。

どの組織においても、ひとつのハットから別のハットへ、ある人から別の人へ、ある従業員から別の従業員へと物事が流れていきます。 そして、組織でのそれぞれのハットや仕事が生産物を生み出し、その組織の最終生産物に貢献することになります。

組織化の図全体から得られる結果が、生産物なのです。

例えば、コンピューターを販売しているお店です。 この店のハットのいくつかは、次のようになるでしょう。

コンピューターを製造している会社にコンピューターを注文する購買係

注文したコンピューターを受け取り、在庫の棚の上に乗せる在庫係

顧客にコンピューターを販売する販売代理人

顧客の購入に対する支払いを受け取る出納係

このそれぞれが、生産物を生み出しているハットであり、その店の最終生産物、つまり、顧客に販売され、提供された高品質のコンピューターに貢献します。

組織図を考える

組織図がなければ人々を無駄にしてしまうことになり、また組織によって生み出された生産物の喪失を見てみると、必要とされる仕事の量のために、適切な組織図を描き、それを知らしめて使うべきもっともな理由がたくさん見付かります。

人々は組織図があることを期待し、それを欲しいと望み、組織図がなければ抗議するでしょう。 船上を歩いている新米の船乗りは船には組織図があると思いますし、存在はしているが、実際の図に人が配置されていなかったとしても、少なくとも知られている組織図があるだろうと思います。 また彼は、そこには担当者が存在し、さまざまな活動がさまざまな人々の管理下に置かれていると思います。

知られている組織図がない場合、組織の従業員やメンバーは抗議し、不安を感じるでしょう。というのも、彼は自分が組織のどこに当てはまるのかわからないからです。

ですから、組織図があり、ハットがあるというのは、人が何かに属しているという気持ちを持たせてくれるのです。

ハットのない人というのは、かなり惨めなものです。 また人はハットは持っているかもしれませんが、それは本当に必要なものとは思えないこともあります。この場合、彼は自分の仕事は単に「間違い」だと感じてしまうでしょう。

士気もまた、組織図の質や組織図が存在しないことによってかなりの影響を受けます。 「士気」とは、個人やグループの精神的、感情的な態度、および自分が関わっている活動に対して示される熱狂の量のことです。 しかし、グループ全体の真価が問われるのは、その存続能力です。 「存続能力」とは、成長、拡張し、成功できるその能力のことを意味します。 その存続能力は、人々が求める、受け入れられる生産物を持っているかどうかに懸かっています。 受け入れられる生産物を持たないグループは失敗します。

生み出された生産物の量と、他の人たちに与える生産物がどれだけ受け入れられるかということは、実用的な組織図を持っているかどうかに大きく左右されます。 組織の従業員やメンバーは、組織図を知り、使わなければなりません。

たとえひとりであったとしても、また小さなグループであったとしても、何らかの成功を手に入れるには非常に正確な組織図が必要です。 実際、グループが小さければ小さいほど、組織図は重要になります。 しかし、ひとりだったりグループが小さかったりすると、大抵、組織図を持っていません。 また大きなグループであれば、組織図がないために、あるいはひどい組織図を持っているために崩壊してしまいます。

会社や組織によて生み出されたお粗末な質の生産物は、通常、そこで働く人々の技能だけのせいにされます。 けれども、実際には、会社や組織の生産物の質は、それが持つ組織図に非常に大きく左右されているのです。

例えば、特定の生産物をつくっているある会社の従業員が死ぬほど働いていると感じていました。 誰もが互いに動揺し、怒りを抱えていました。 その会社の生み出している生産物はお粗末なもので、通常の2倍のコストがかかっていました。

会社がほんのちょっとましな組織化をすると、従業員の多くはトレーニングを積んでいなかったにもかかわらず、半分の仕事量で受け入れられる生産物をつくり始めました。 ですから、いくらかの組織化であっても効果があったのです。

どのような会社やグループであっても、その生産物の量と質は、組織図とハットとその使用に完全に左右されます。

際限なく人々をトレーニングすることはできますが、現実に即した実用的な組織図も持っていなければ、依然としてお粗末な生産物を手にすることになります。 さらに、その生産量も少ないでしょう。

ですから、存在している実用的な組織図の欠如が、失敗につながることもあります。 組織という主題についての知識の欠如によって、「天才たち」が必要になるのです。 それが長い間うまく行くことはありません。

何かをつくろうと思うのであれば、現実的な組織図がなければならず、それは知られていなければなりません。 あなたの生産物の質を向上させるために組織図が必要です。 グループの士気を高く保つために組織図が必要です。 均等に仕事量を分配し、誰も働き過ぎにならないようにするために組織図が必要です。 では、どのように組織図をつくるのでしょうか?

ハット

組織図は、複数のハットで構成されています。

ハット」の正確な定義は、「生産物を獲得する存在性行動性」です。

(「存在性」とは、ある種類のアイデンティティーを身に付けたり、選択したりすることです。 例えば、受付係はひとつのアイデンティティーです。 オフィスに入っていくと、あなたはオフィスに入ってくる人々を迎える人、つまり受付係を識別することができます。 それがその人のアイデンティティーです。 秘書は、アイデンティティーについての別の例です。 バスの運転手は、また別のアイデンティティーになるでしょう。

行動性とは、ある行為や活動を実際に行うことです。

例として、列車を使いましょう。

列車を引っ張るエンジン(機関)を運転する列車の機関士は、機関士の帽子をかぶっていて、機関士のポストを持っています。 それが、彼の存在性です。

彼は命令を受け入れ、さまざまな警告灯を確認し、エンジンをスタート、チェンジ、ストップするためにその動きをコントロールします。 それが、彼の存在性です。

彼は、安全かつ時刻表通りに、列車の乗客か貨物(あるいはその両方)をある場所から他の場所へと移動させます。 移動された列車と積み荷が機関士の生産物です。

機関士のハットはどのように生じるのでしょうか?

人々と品物は陸上で移動されなければなりません。 あるいは、発展しつつある新しい町や地域では、そこから出てきたり、そこに入っていく人々と品物を運搬する必要があります。

そして、人々は自らを運んでもらうことにお金を支払い、品物を移動してもらうことにもお金を支払います。

列車はそれを行います。

列車を計画し、運営するのに必要なお金が手配する必要があります。 鉄道線路を敷くために、法的な権利を得る必要があります。 それから、線路を敷き、機関車、列車、鉄道の駅、機関車を保管して修理を行う建物も建てる必要があります。

誰かが列車を運転する必要があります。 ですから、このために誰かを雇用する必要があります。 そして、これが機関士のポストハットです。

どうしてこれがわかるんでしょう? なぜなら、移動された人々と品物という生産物を手にしなくてはならないからです。 そもそも、それがやろうとしていたことです。

したがって、機関士のハットがあるのです。

けれども、組織図が全くなかったとしたらどうでしょう?

機関士のハットが唯一のハットだとしましょう。 そうなると、機関士が列車の乗車券のお金を集め、鉄道の駅を管理し、エンジンの修理をし、列車の燃料を買い、積み荷を載せようとすることになります。

ええ、機関士がそれを全部行わなければならないとしたら、こんなことになるでしょう。

  1. 彼は疲れ果てるでしょう。
  2. 彼の機嫌は悪くなるでしょう。
  3. 彼の機械は故障するでしょう。
  4. 彼は事故を起こすかもしれません。
  5. その鉄道が存在している敷地は管理されることがなく、ひどい状態になってしまうでしょう。
  6. 彼は自分の生産物、つまり、移動された人々と貨物を大して生産することはないでしょう。
  7. 彼は時刻表を守ることができないので、自分の生産物も大したものではなくなるでしょう。 苦情が募ります。
  8. そのうち線路もなくなります。

もしかしたら、あなたにとっても馴染みのあることではないでしょうか!

過去、これらの問題はどのように解決されてきたのでしょう?

もしかしたら、各駅を管理する人たちが雇われていて、誰かがこう言っていたのかもしれません。「ほら! これで万時うまく行きますよ。」

まあ、それではまだ混乱した状態でしょう。

または、もしかしたら、誰かがさらに機関士とさらに駅を管理する人たちを雇うと決め、それからさらに機関士と、さらに駅を管理する人たちを雇うと決め、さらに駅を管理する人たちを雇うと決めて…最終的にすっかり混乱した状態になり、巨大な賃金(従業員全員に支払われる給料)、そして実にひどい生産物を抱えることになってしまいます。

ですから、この問題を別の方法で解決しなければなりません。

けれども、以下のことをしなければ、どこにも行き着くことはないでしょうし、効果がある組織図を手に入れることもなく、何もうまく行かず、存続能力も得られません。

最終生産物を正しくつくるために、その組織が生み出さなければならない生産物をすべて数え上げる。 次に、より小さな生産物を生み出すために必要な別々のハットを考え出す。

これが終わると、そこに流れができるように、組織図上にそれらのハットを配置することができるようになります。 誰が誰に命令を与えるかを考えることができます。 従業員の間で簡単に互いがコミュニケーションを取れるような方法を考えることができます。 ここで組織図が手に入ります。

このふたつが終わるまで、組織図を考え出すことはできません。(a)最終生産物をつくるために、生み出さなければならないより小さな生産物を数え上げる、(b)それから、それぞれの小さな生産物を生み出すために人々にハットを与える。

最終生産物の質は、効果的な組織図を持っているかどうかに懸かっています。 それはすべてのハットの名前を挙げることに懸かっています。 それは誰もに指定されたハットを行わせることに懸かっています。 必要な仕事を「完了」させるということは、全員に力を合わせて取り組ませることに懸かっているのです。

最終生産物からさかのぼって考える

では、組織の生産物を取り上げて、ひとつにまとめると最終生産物になる、より小さな生産物すべてをどのように考えるか見てみましょう。

鉄道の最終生産物、「移動されたたくさんの乗客と積み荷」から始めることができるでしょう。 より小さな生産物がいくつ集まると、ひとつの大きな、最終生産物になるのでしょう?

つまり、ここには主要な生産物があり、それらはより小さな生産物へと細分化され、そのそれぞれが最終生産物よりも前の段階で生産されます。

「移動されたたくさんの積み荷」よりも前の生産物、購入されたエンジンがあります。 エンジンが使用あるいは修復できるようになる前には、まず誰かがそれを買わなければなりません。 それを買うためには、それよりも前の生産物、設備のためのお金があります。

積み荷自体を見てみると、受け取り側の人または会社によって受け入れられた積み荷という生産物があります。

順番により以前にさかのぼって考えることができ、すると別の生産物、保管された貨物(列車によって運ばれる木材、石炭など)が見付かります。 列車が到着すると、貨物は届ける前に保管しなくてはなりません。

その前に、別の生産物、降ろされた貨物が見付かります。 ここでも、誰かがその貨物を下さなければなりません。

そして、その前には、列車が行う仕事、移動された貨物があります。

その前を見てみると、列車がどこかに持っていく前に、積み込まれた貨物があります。

その前は、発送のために集められた貨物すらあります。

さらに戻っていくと、顧客の荷物を移動するという署名された契約書があります。

さらにその前に行くと、広告が一般大衆が見ることのできるところに掲げられています。

それよりも前には、貨物を移動することに関して一般大衆が必要とするものを見付け出すための、彼らに対する調査です。

そして、一番最初のところに、貨物運送サービスが必要かもしれない活動を調べることがあります。

これらのひとつひとつの生産物はハットであり、それぞれが最終生産物を達成するために行われなければなりません。

より詳しくこれを調べてみると、サービスに対して支払われた手数料やそれに関係する収入がないことも見て取れます。 ですから、そこには追加の生産物がひとつあります。組織が自分の請求書に対する支払いをし、将来の生産に必要なものを買うための収入が必要になります。 当然、このハットにもこれより前に数々のハットが存在します。

中には生産物志向ではない人もいるでしょう。つまり、生産することなしに収入が得られると思っている人たちです。 多くの人々が、最終生産物やサービスをつくって提供し、それに対する支払いを受け取るために必要な生産物の順番のことを考えることもできず、また実際に考えてもいません。 ですから、彼らは破産して飢えることになるのです。

お金という生産物を受け取る前には、常に多くの生産物が存在します。 人々はただ、お金そのものにはまり込んでしまうこともあります。 彼らにはどのような生産物の流れも見えず、そのため破産するか貧乏な状態にあるのです。

会社や組織といった活動があるのであれば、生産物を生み出すために必要な費用以上で売れる、望ましい生産物がなければなりません。 収入を得るためには、その生産物を売って、それを提供しなければならないのです。

組織化

あなたの会社、グループ、活動、家事を組織化するのに必要なのは、以下の正確なステップだけです。

1. 最初に、自分の最終生産物が何かを考え出す。 それを書き留める。

2. 次に、逆向きの順番で取り組む。 次に生み出すべき生産物(そのすべてがまとまって最終生産物となるもの)をつくりために必要な、より以前の生産物を挙げる。

3. 次に、それらのハットを人々に割り当てる。 あなたの生産物をより完成したものにするという観点から、これを行いなさい。 ここから、従業員の監督に責任を持つ一番上の人から、課を担当する人へ、さらに、より大きな最終生産物を構成するより小さな生産物それぞれに責任がある人へと下りていく、指揮系統が得られる。

4. 流れ(より小さな生産物が、組織にいるひとりの人から次の人へと、どのように移動していくか)に合わせて、活動や組織を調整する。

5. コミュニケーションの順番、より小さな生産物が完了したら、ある人(ハット)から次の人へと回される順番を考え出して、提案する。

6. それぞれのより小さな生産物という結果につながる作業(行為やステップ)を考え出す。 機能および行為としてこれらを書き留める。組織の最終生産物を生み出すためのすべての技能を含める。

7. それらを特定のハットとして挙げる。

8. これらのハットを「かぶり」、その仕事をする人々を雇う。

9. 従業員がこれらを知るように、なされるべき行為やステップをドリルする。 「ドリル」とは、注意深く考え出された一連の手順(常に同じ方法で行われ、常に望まれた結果を生み出す手順)を練習することです。

10. 各ハットの仕事の説明したパック(指定された各ハットの機能と職務を正確に記したもの)をまとめて、従業員に配布する。 これらの書き上げはまた、「ハット」またはある人の「ハット」(書かれた教材)とも呼ばれる。

11. これらの書かれたハットを雇用した人々に配布する。 各人に自分の教材を注意深く勉強させ、何が期待されているか、何を行わなければならないか、またどのように行うかを各人が知っているようにする。

12. 生産物が生み出されるように、各機能が行われるようにする。

以上が「組織化」と呼ばれるものです。

高い質の生産物を手に入れるために、組織化しなさい!

士気を高めるために、組織化しなさい!

生存し、成功するために、組織化しなさい!

注意:続けるために、このコースの以前のステップすべてを完了しなければなりません。 あなたの最後の未完了のステップは
注意:不正確な答えがありました。 続けるために、をもう一度読んで、それから再びあなたの理解を試してください。